御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
「どうしたら、色目を使えるっていうのさっ!」

「胸もないし!」

「そうだよ!でるとこでてないのに!」

そこまで言わなくてもいいです……。
所長がおばちゃん達に責められて困っていた。

「みんな、ありがと。迷惑かけたくないから、いいよ……。仕方ないよ……」

契約を切られてしまったら、私がクビになるだけじゃすまない。
他の人まで収入がなくなってしまう。
荷物をまとめる私におばちゃん達は目を潤ませていた。
スマホが鳴り、手に取ると―――

「あ、菜々子ちゃん?」

ファミレスの店長から?
嫌な予感がした。

「ビルのオーナーから菜々子ちゃんを辞めさせないと、出ていってもらうって言われてね。悪いんだけどさ」

「……わかりました」

泣きそうになり、最後まで、言葉を聞けなかった。
ファミレスまで。
たった一日で私は働くところを全て失った。
宮ノ入グループって、やっぱりすごいんだな。
ショックで頭がぼっーとした。

「大丈夫かい?菜々子ちゃん」

「許せないね」

「あの秘書達!」
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