御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
雅冬さんと一緒に暮らす―――その夢みたいな話に驚き、何も言えずにいると笑っていた。

「また朝にな」

夢心地でぼうっとしたまま、車を見送っていた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


朝になり、支度をしていると凛々子が顔を出した。
メイクは元に戻っていた。

「菜々子。私ね。社長のお母様と話をしたのよ。そしたら、私のこと、気に入ってくださって。偶然にも社長のお母様と同じ大学を卒業した縁でね?」

「そうなの」

適当に返事をした。
恋愛スキルの低い私の頭の中は昨日のことでいっぱいで、凛々子の言っている言葉を思考する余裕がなかった。

「姉は高卒なんですっていったら、すっごく嫌そうな顔をしてたわよ」

そんな言葉に怒りすら沸かなかった。
凛々子の顔を冷静に見つめて言った。

「凛々子はどうして私の好きな人や好きになってくれた人に興味を持つの?」

「別にいいじゃない」

「よくない」
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