御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
「そんなこと、言ってない!」

傷ついた顔をしていた。
私のほうが、酷いことされてるはずなのに。

「会いたくないのに会うしかないから、仕方なくって、なんだよ、それ―――絶対に俺は嫌だ!」

痛みをこらえるように叫んだ。
ぎり、と手首を強く握られた。

「私より凛々子を信用するんですか?私は言ってないって言ってるじゃないですか」

「嘘だとわかってる。けれど―――」

泣き出しそうな顔で、雅冬さんは言った。

「離れられないようにしてしまいたい」

ぎしりと軋む音がして、雅冬さんの腕の中に囚われた。
食らいつくすようなキスをただ無防備に受けて息を乱し、抱かれた。
拒否してしまえば、一緒にいれなくなる。
そんな気がしていた。
それは重くて―――苦しい想いだった。
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