魔法の恋の行方・7日目の恋(シリーズ5 ダリウスとリセ)
<ホテル・ペントハウス・ダリウスの部屋>

「お前は俺より弱い。
護衛が主人より弱くて務まるのか?」

ダリウスは小動物をいたぶる
悪ガキのような調子で、疑問を投げかけた。

「物理的には・・そうですが、
私が最大値の魔力行使をすれば、
ダリウス様を危険から守る、
回避はできます」

リセの魔力は攻撃より防御に強い。

他の魔女ではできない、時空を瞬間的にゆがめ、
銃弾の弾道や爆発などをそらす事もできる。

しかし、それを使えば・・・
1か月は・・
<魔女ホルモン>が枯渇するので、
ほぼほぼ、寝たきりで魔力回復に
努めなければならないが・・・

リセはこの新しい主人をじっと見た。
「おまえは首だ」
「はい、1週間後に退職します」
リセはよどみなく答えた。

そして主人の金の瞳をまっすぐに見た。

ダリウスとリセの視線は、お互い譲らない状態になったが、
ダリウスはリセの引かない態度が、理解できたようで

「はぁ・・・・わかった・・
出かける」
そう言って、
リセに向かって、犬を追い払うかのように<立ち去れ>と手を振った。

「車を準備いたします」
リセは答えた。


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