エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
今はまだ正解など求めていないのだから。


「こーえん、こーえん、じいじ、速く!」

「公園に着くまでに、じいじがヘトヘトになるぞ」


少しだけ歩調を速めた父に、瑞希が「ありがとう」とお礼を言う。

貴重な休日は、居間のソファに寝そべって好きな洋画を楽しみたいだろうに、こうして孫の遊びに付き合ってくれて感謝している。

瑞希の母は、今日もレジ打ちのパートだ。

(楽しい一日になりそう。お休みもらえてよかった)

今日は大安吉日の日曜なので、式場を備えた瑞希の職場は忙しい。

大ホールと中ホールでそれぞれ二件ずつ結婚式の披露宴が予定されていた。

学生アルバイトが多く登録されているため土日の人員は確保しやすいのだが、それでも忙しい時に休みたいとは言いにくい。

けれどもしばらく海翔と丸一日遊ぶことがなかったので、試しに休み希望を出してみた。

すると蛭間が、小言のひとつもなく許可してくれたのだ。

『たまには日曜にお子さんと出かけたいよね。わかるよ。二歳? 可愛い盛りだ。こう見えて俺は子供好きなんだ。一緒に遊んであげたいな』

蛭間にそう言われた時、瑞希は思わず後ろを振り返った。

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