社長はお隣の幼馴染を溺愛している《宮ノ入シリーズ④》
階段を駈け上がり、部屋へ飛び込む。
一階からの煙が、要人の姿を呑み込み、見えなくなった。
木造のアパートのせいか、火の勢いが強く、階段部分にまで、火の手が延びる。
「要人っ!」
部屋から出てきた要人は、畑のそばにあった大きな木に飛び移り、軽い身のこなしで、地面に降り立つ。
そういえば、昔、あの木にひっかかった帽子を要人が登って、取ってくれたことがあった。
「ほら、志茉」
帽子をとってくれた時と同じ、満面の笑みを浮かべた要人は、部屋から持ち出した物を手渡した。
それは、私が玄関に飾ってあった両親の写真とアルバムだった。
「要人……」
「これ、志茉の一番大事な物だろ?」
戻ってきた要人のシャツを掴んで叫んだ。
「要人が一番大事に決まってるでしょ!」
私が泣き出し、要人の体にしがみつくと、要人は驚いた顔をした。
そんな驚くことじゃない。
要人は私にとって、なくてはならない存在なのだから。
「志茉、ごめん」
「……二度と、危ないことしないで。命だけはどうにもならないのよ!」
「わかってる」
私たちは水に濡れたシャツも気にならないくらい、お互いを痛いほど抱きしめていた。
一階からの煙が、要人の姿を呑み込み、見えなくなった。
木造のアパートのせいか、火の勢いが強く、階段部分にまで、火の手が延びる。
「要人っ!」
部屋から出てきた要人は、畑のそばにあった大きな木に飛び移り、軽い身のこなしで、地面に降り立つ。
そういえば、昔、あの木にひっかかった帽子を要人が登って、取ってくれたことがあった。
「ほら、志茉」
帽子をとってくれた時と同じ、満面の笑みを浮かべた要人は、部屋から持ち出した物を手渡した。
それは、私が玄関に飾ってあった両親の写真とアルバムだった。
「要人……」
「これ、志茉の一番大事な物だろ?」
戻ってきた要人のシャツを掴んで叫んだ。
「要人が一番大事に決まってるでしょ!」
私が泣き出し、要人の体にしがみつくと、要人は驚いた顔をした。
そんな驚くことじゃない。
要人は私にとって、なくてはならない存在なのだから。
「志茉、ごめん」
「……二度と、危ないことしないで。命だけはどうにもならないのよ!」
「わかってる」
私たちは水に濡れたシャツも気にならないくらい、お互いを痛いほど抱きしめていた。