世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果




 大変だ。



「俺は遠征をボイコットします」
「えっ……な、なに? どういうこと?」
「無理行くわけないそんなの無理だから絶対行かない俺はここにいる」
「と、とりあえず起きて……?」
「むり」
「あかりさん、俺が説明するんで」



 夜七時。部活から帰宅した総一郎をあかりはいつも通り玄関で迎える。しかし、玄関には靴も脱がず倒れた総一郎と疲れ果てた隼也が居た。
 二人は何故かところどころ引っ掻き傷だらけでズタボロ、なおかつ泥だらけである。


 あかりはとりあえず救急箱をリビングから持ってきて、抱き抱えながら隼也の話に耳を傾けた。




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