世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果




 だが、さすがの末っ子気質総一郎も、ここまでお世話してもらっていたら何かを返したくなる。



「あかり、何か困ってることある?」
「え? ないよ。この前までお世話相手がいなくて困ってたけど解決したし」
「そうじゃなくて……こう、あかりが非力で……」
「私が非力……?」




 総一郎の言葉選びは独特である。
 

 あかりは家事をしていて、自分が非力だとは思ったこともなかった。瓶の蓋も問題なく開けられるし、布団の上げ下げも出来る。


 一体自分の何を見て非力だと言われたのか、若干ショックを受け落ち込む。



「男の力を借りないと、こう、難しいこと、とか……」
「え、あー、そういうことね。うーん、今のところないかなぁ」
「……そっか」
「大丈夫! 総一郎くんの存在が助かってるよ!」
「存在が助かっている……?」



 あかりの言葉に複雑な思いをしながら、総一郎は食事を終え、学校へ行く支度を始める。




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