離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く

「ど、ど、どうして隣なんですか?」

「どうしてって、気に入ったからに決まってるだろ。ちょうど和歌の部屋の隣が空いていてよかった。これで変なやつが隣に住む可能性はゼロだな」

「それは確かにそうだけど!」

 これじゃあ、わたしが引っ越しをした意味がないじゃないの!

「いや。これで安心だな。困った時はすぐ俺のところにくればいいから」

「待ってください。なんでこんなことになったの? こんなのおかしい」

 百人いたら九十九人がおかしいって言うはず。言わないのは目の前にいる慶次さんくらいだ。

「別におかしくないだろう。俺はあの物件が気に入ったから住んでいる。それだけだ」
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