Tear Flowers〜奪われた未来〜
「おいお前、今すぐ上司に電話しろ。内容はこう言え。「バスをエドワード・クロッカスに乗っ取られた。要求はマイケル・ストックの事故について社長の謝罪だ」ってな」

犯人ーーーエドワード・クロッカスは銃口を運転手に突き付け、荒い息を吐きながら言う。運転手は体を震わせながらも、「は、はい……」と言い、上司にエドワードの言葉をそのまま伝える。

「マイケル・ストック……」

どこかで見たことのある名前だ。フィオナがその名前を口にした刹那、頭の中にある新聞記事が浮かぶ。そこに映し出されたのは、数ヶ月前、マイケル・ストックという男性がこのバス会社のバスに轢かれ、亡くなったということだった。

(この男とマイケル・ストックは、一体どんな関係なの……?)

エドワードは運転手が連絡したのを見届けると、安心したように笑う。そしてポケットから一枚の写真を取り出し、それを眺め始めた。その目は人一倍の優しさが込められている。
< 14 / 37 >

この作品をシェア

pagetop