イケメンと数多の恋心|エアラブ掲載の短編を載せていくだけのものです。なので、1つの物語ではないです|
ふっと笑うその顔は,私の見たことのない表情をしていた。



「香奈が俺をたまに可愛いとか思ってるのは知ってる。でも,俺だって男だから。それだけじゃないよ」



そんなの,私だって知ってる。

純はそれと同じくらい格好いいんだから。



「いい? 香奈。男はね,狼だから」

「ん?」



何の……話?

ハロウィンは,まだだよね。

あっ



「今日が満月だって言いたいの? 知ってるけど……なんで今? ……あっ,夜,抜けれないけど,ベランダで電話しようよ!」

「……ほんとになんで今? 俺だってそんなこと知らない……香奈のばか」

「え?」



純の真意は分からないけど,我ながらとってもいいこと思い付いたと思う。



「まぁ,いいよ。香奈はそれで。いつか絶対分からせるから」


       『"ただの"可愛い彼氏』より
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