君の隣にいたかった。



……叶君が、私を好き……?






未だに実感がない。







"もう、1人では泣かせない"






この言葉が、嬉しすぎた。


私が泣く時、隣に叶君がいてくれた。叶君がいてくれたから、泣けた。




両親が死んでしまったあと、私は1人で泣くことが多かった。




でも、泣けば泣くほど悲しくなって、虚しくなって、寂しくなる。


だから、泣かないようにしてた。そしたらいつの間にか、泣けなくなってて。





また、私を泣けるようにしてくれたのが叶君だった。



叶君の隣で泣くとね、あったかいの。




好きだよ……どうしようもなく。





忘れかけてた笑顔も、叶君のおかげで思い出せた。



たくさん笑えるようになった。








「……ありがとう、叶君」






みんなのところに戻る途中、独り言のように呟いたその言葉は、叶君に届いたのかな。





みんなのところに戻って、またたくさん楽しんだ。

もう夕方になっちゃって、帰る時間だ。


片付けも終わり、ふぅ……と息を吐く。




ふと近くで片付けしてる叶君を見ると、綺麗な金髪が夕日に照らされていた。


キラキラと輝く叶君の金髪が、あの頃は眩しすぎたのに……。





今はね、もっとずっと、見ていたい。







「凛華、帰るぞ」







君のいるところに、帰りたい。


君のその笑顔を、もっと見ていたい。




「……うんっ!」




できることなら―――





ずっと、君の隣にいたかった。















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