君の隣にいたかった。

君の隣にいたかった。



【叶side】




昔、凛華に出会った時、人目見て惚れた。




『1人で辛かったね……』





そう言って、ふわっと微笑んでくれた。


凛華が俺にくれた言葉は、それだけだったけど、
あの時の俺には十分すぎる言葉だった。





その凛華に、また会えたけど、凛華は怖いほど美少女に変わっていた。


呼び止めた時、その場で告白しようとしたくらい、好きなんだ。




「叶君、私……叶君が好きっ!」




泣きながらそう言われ、俺の思考は停止する。


さっき、急いで病院に来たんだ。


凛華が入院すると言ってから、理解するのに数日かかった。


フラれたくせに、まだ好きで……なんならどんどん好きになっていくから。


どうしようもなく会いたくて、色んな病院駆け回って。

それでやっと来れたはいいけど……今凛華……なんて……。




「ごめんなさい、本当は私、もう死ぬんです。いつ死ぬかも分からない。
最後に叶君に出会えてよかった! ありがとう!」


「な、何言ってっ……」




凛華が、死ぬ……?


しかも、最後って……?




「最後だから、言わせて。私は叶君が好きです」


「凛華、お前……死ぬ? 何言ってんだよ」




意味が分からない……。


あれから何分経ったかは分からない。


でも、理解はできた。


凛華が……死ぬ……?




「治ら、ないのか……?」


「……うん」




悲しそうに笑う凛華を見て、胸が痛む。




「なんでだよっ! 俺はっ……俺は凛華が好きだっ!」


「!!」


「だから死ぬなっ!!」




苦しい……痛い……心臓が、張り裂けそう……。
< 28 / 44 >

この作品をシェア

pagetop