期間限定マリアージュ~四年越しの旦那様はエリート社長、誓いのキスが子作りの合図~
私に子を産ませたら、お払い箱のクセに。

伯父さんに訊いたら、母と共に事故で亡くなったのは『帝商フーズ』の当時の社長のご子息だと訊かされた。

その繋がりを踏まえ、私達には『帝商フーズ』と言う会社が絡んで来ると言っていた。
でも、伯父さんは金さえ貰えば、他はどうでいいらしい。
『送金はもういいから、麻莉も神戸社長と上手やれ』言って電話は切れた。


「返すのは子供が生まれてからでいいだろ?」

「・・・」

私は口を噤み、ダイヤのリングをジッと見つめた。

永遠の愛の輝きを放つダイヤモンド。

その向こうに見えるのは私の旦那様のエリート社長。

「私にとっては勿体ない相手よ…」

これは夢。

そう割り切り、彼の子を産めばいい。

それで、五億が返せる。


「これは夢ね…夢だと思えばいいのね…」
何度も同じ言葉を呪文のように繰り返して、自己暗示をかける。

「夢か・・・その手があったな・・・」

彼は妙に納得して、夜空を見上げ、淀んだ都会の空に輝く星に見つめた。

そして、彼の片手が私の頬に掛けられる。


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