アンインストール
目が覚めたら、そこはリビングのソファの上だった。
父さんは床に座ってテレビを観ている。

「お、凛音起きたか」

呑気な姿に少しばかり安堵する。
そう思ったのも束の間、カレンダーを見て息を呑む。
カレンダーが示してたのは父さんが事故に遭った日。

心拍数が上がり過呼吸になっていく。
全身から汗が吹き出す。冷たい。

止めなきゃ

止めなきゃ

私の記憶が正しければ今日の19時、父さんは出掛ける。
その途中、居眠り運転の車に跳ねられる。

止めるんだ。私が。

でもどうやって?

なんて考えが脳内をよぎる。

いや、どうにかするんだ。

無ければ作ればいい。可能性を。

私は拳を固く握り決意する。


これが私の最初の試練だった。
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