片思いウエディング~夫の不倫で!?離婚しましたが、コロナ禍で再婚して赤ちゃんを授かりました~
「俺も完治するまで…ビクビクした…」

「圭斗さん…」

自分の体験を語り、彼はマスクを外してお茶を啜った。

「メンタルの部分もやられていく…だから…皆には感染して欲しくない…特に澪には…」

「え、あ…」

彼は腰を上げて、私のデスクへと向かって来る。
そして、椅子に座りノートパソコンで文書作成をしていた私を背後から抱き締めた。

「圭斗さん…ダメです…」

「出来れば…澪には東京出て欲しいけど…離れたら、寂しいし…キモチは揺れているが…」

再婚した途端、甘く惜しみなく愛を注ぐ圭斗さん。

「別人ですね…」

「ん、あ・・・」
「テレ屋の圭斗さんは何処に行ったんですか?」

「…俺は一度死んだ…今の俺は昔の圭斗じゃない…」

彼は不埒に胸許に手を伸ばす。

私は彼の手の甲を抓った。

「痛いぞ…澪」

「仕事の邪魔です…」

「…分かったよ…もう邪魔はしない…俺は巡回に行く…」

「いってらしゃい」
私は彼を送り出した。

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