片思いウエディング~夫の不倫で!?離婚しましたが、コロナ禍で再婚して赤ちゃんを授かりました~
夫から妻へ・・・
強く大きな緊張感が減圧室全体を包んでいた。
物々しい雰囲気も漂う。
感染予防の為、私の全身は半透明のビニールのようなモノで覆いかぶされている。
私は熱で半分気が遠くなっていた。
私の顔をゴーグル越しに見ている槇村先生の真剣な眼差しで覚悟を決め、私の命、赤ちゃんの命全てを委ねた。
防護服を身に着けた医療スタッフたちも私が横たわる手術台を囲む。

スタッフ達皆のカラダの後ろには腰のあたりについた太めのチューブを通して防護服の中に新鮮な酸素を取り込み、感染を防止していた。
感染と隣り合わせで自身の命を危険に晒しながら、私と赤ちゃんの為にベストを尽くす槇村先生たちには言葉では言い尽くせないぐらい感謝していた。

「桜木さん…大丈夫だからね…」
白石先生もオペに加わっていた。


ずっと担当医だった彼女も居てくれるなら心強い。

赤ちゃんの感染や後遺症、様々な心配事が脳内を埋め尽くしていくけど、今はまず赤ちゃんの無事を祈った。



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