蒼月の約束

「どうかした?」

「危険かもしれません」

サーシャが言った。

「時間が気になります。帰りのことを考えますと、あまり遠くへは行かない方が…」

そう言えば、お花の効果は3時間ほどって言っていた。

すでに1時間は立っているだろう。

エルミアは頷いた。

「私、一人で行く」

「それはなりません!」

リーシャが真っ先に止めた。

「王子と約束していますから!」

「私の方が、花の効果は長い。もし怪しいと思ったら先に帰ってて」

それから、女人の方を向いた。

「竜宮の使いは、戻ってきますよね?」

「はい。呼べばすぐ」

「じゃあ、待機をお願いします。
いいね、約束して。
危ないと思ったら先に帰ること。私は効果が長いってことを忘れないで」


そして、引き留めようと腕を掴もうとしたリーシャの手をすり抜け穴の奥へと飛び込んだ。





< 148 / 316 >

この作品をシェア

pagetop