幻想館-白雪姫-
-白雪姫編-

先客

いつものように、積み上げてあるテープを空間の引き出しに閉まっていた



彼はそれが終わると揺り椅子に腰掛けた

勿論、お気に入りのハーブティーも・・・。


ゆったりとした時間が流れる。



彼は立ち上がり、奥からお菓子の入った入れ物を持って来た。


「そんな所に立ってないで、ここにおいで」


彼の言葉に暗闇の中から一人の少年が現れた。


透き通った瞳

あどけなくはにかんだ笑み

年の頃は5、6歳だろうか・・・。


大きな椅子にちょこっと腰掛けた。


彼は温かいミルクをテーブルに置いた。


少年は少しずつゆっくりと、口に入れた。

小さな手のひらは、ほんのり温かみを増した。


「おいしい」


少年は笑った。



「ゆっくりしていくといいですよ」


少年はコクリと頷いた。


お菓子をひと口すると、少年はまた笑みを見せる。



小さなお客様は、そのうち膝を抱えて座った。


まるで胎児のように


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