妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「つーか、無理じゃね」
気付けば、みんな挑戦をやめていた。
ジャンプして取るのは無理だとわかったみたい。
「どうするよ。肩車とか?」
「お、いいんじゃね。誰がする?やっぱり和奏か」
「いいよ。……よし、爽こいっ!」
「え、私⁉」
爽は驚きつつも、しゃがみ込んだ和奏の肩に跨る。
「……ちょっと、変なところ触らないでよ?」
「とか言って、いつも触らせてるくせに~」
「うるさいっ!」
外野のヤジに爽が顔を赤くする。
あまり照れることがない爽だけど、揶揄われると案外照れやすい。
……とその時。
唐突に音が遮断された。
「え?」
目の前に真崎がいて、悲しそうな顔で俺の耳を塞いでいた。
「聞こえない……?」
弱々しい声。
また先生との約束を破っちゃった。
悲しませるなって言われたのに。
また、そういう顔をさせちゃった。
気付けば、みんな挑戦をやめていた。
ジャンプして取るのは無理だとわかったみたい。
「どうするよ。肩車とか?」
「お、いいんじゃね。誰がする?やっぱり和奏か」
「いいよ。……よし、爽こいっ!」
「え、私⁉」
爽は驚きつつも、しゃがみ込んだ和奏の肩に跨る。
「……ちょっと、変なところ触らないでよ?」
「とか言って、いつも触らせてるくせに~」
「うるさいっ!」
外野のヤジに爽が顔を赤くする。
あまり照れることがない爽だけど、揶揄われると案外照れやすい。
……とその時。
唐突に音が遮断された。
「え?」
目の前に真崎がいて、悲しそうな顔で俺の耳を塞いでいた。
「聞こえない……?」
弱々しい声。
また先生との約束を破っちゃった。
悲しませるなって言われたのに。
また、そういう顔をさせちゃった。