闇夜ヨルの恐怖記録 1
「みんなと話したりしないのか?」


ユウキにそう聞かれて、セイコはまたうつむいてしまった。


こんな暗くて地味で目立たない自分と友達になってくれる子なんていない。


そんなの、ユウキだってわかってるはずなのに。


答えられずにいたとき、トオコたち3人が近づいてきた。


トオコはどこか気まずそうな表情を浮かべている。


「私でよければ、友達になろうよ」


トオコの口からそんなことを言われてセイコは目を見開いた。


咄嗟には返事ができなくて固まってしまう。


「一人ぼっちって寂しいよね。その気持ち、よくわかるから」


「トオコ……」


「それに、私も自慢ばかりして、そういうのみんなから見たらどうだったのかなぁって、考えたりしたんだよね。それが原因でハルナとカナが遠ざかっちゃったのかなぁって」


セイコは下唇を噛みしめる。


2人がトオコから離れた理由を、トオコはすでに知っているはずだ。


引き剥がし剤を使ってすぐに、友人たちはトオコの元へ戻って行ったのだから。


「私達も、セイコと仲良くなりたい」


「セイコとおしゃべりするのも結構楽しかったよね」


ハルナとカナが照れくさそうに言う。
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