バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「赤星さん・・・」
赤星さんは手にコーヒーを持っていた。
「すみません、ちょっとコーヒーが飲みたくなって。待ちました?」
「待ちましたって・・・待ったのは赤星さんで」
「僕はずっと待ってますってお伝えしましたから、待ってることには、ならないですよ」
赤星さんは照れ笑いしながら、私の肩から手を離した。
「ごめんなさい、コーヒー飲んじゃうことになりましたね」
「先にすみません。お仕事大変ですね」
「どうしても仕上げないといけない仕事がありまして」
「緑川さん、この後ってまだ時間大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですけど」
「じゃあ、ご飯食べに行きましょう!僕、お腹空きましたし」
ずっと待っててくれたんだ、これで帰っては申し訳ない。
「じゃあ、お願いします」
「居酒屋とかでも大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
赤星さんの嬉しそうな顔は、営業スマイルではなく、屈託のない笑顔だった。
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