バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
私が、空一面を眺めて、星に祈りを伝えると、拓真が私をじっと見ていた。
「奈織さん・・・そんな嬉しいこと言ってくれて」
「たくさん星があるからさ、願うと叶いそうでしょ」
私は、髪をかき上げ、照れながら笑って気持ちを伝えた。

「綺麗ですね、奈織さん・・・」
「えっ」
「また来ましょう。少し肌寒いから車に戻りましょうか」
「そうだね」
助手席を開けようとした時に
「前じゃなくて、後ろです」
拓真が後部座席のドアを開けようとしてたので、私も同じように後ろに乗り込んだ。
後ろから、何か見えるのかな?

「すみません、奈織さんの実家から我慢してたんですけど、星空の下の奈織さんが綺麗で、嬉しい言葉言ってくれたから我慢できなくて」
拓真の顔が近づき、ゆっくりと何度も唇を重ねた。
「はぁ・・・ここで抱いたらまずいですよね」
「も、もちろんでしょ!」
「それは残念。でも、これでもそう言えますか?」
拓真は私の両肩を掴んで、シートに押さえつけて、むさぼるように舌を絡み取られ、激しく唇を奪われる。
それ以上を求められても、止められないほどに翻弄される。

しばらくすると、拓真が静かに頬に口づけをし
「そんなうつろな目で見ないで下さい。本当に我慢できなくなります」
「もう、拓真の意地悪」
「じゃあ、続きは帰ってからのお楽しみですね」
拓真は笑いながら、ドアを開け、私達は前に乗り直し、車を走らせた。
夜で顔も体も熱を感じるほど赤くなっているのは分からないかな・・・
きっと、帰ってから、拓真の愛で熱い夜を過ごす予感がした。
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