【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


 門野さんは、わたしに自分の正直に気持ちを伝えてくれた。
 正直に言うと、とても嬉しかった。嬉しかったけど……。内心複雑だった。

「どうなんだよ?答えてくれよ、つぼみ」

 つぼみと名前で呼ばれて、悔しいけど胸がキュンとする。……ドキドキしてしまう。

「……日向は、どうなのよ」

「え?」

「日向はどうなのよ。……わたしにそう聞くけど、日向はわたしのことどう思ってるの?」

 わたしは日向の目を見ながら、そう問いかけた。

「……俺は、つぼみのことが好きだ」

 そう言ってわたしを抱きしめる日向。

「めちゃくちゃ好きだ、つぼみのこと。……誰にも渡したくない」

 日向の抱きしめる力が、少しだけ強くなった気がした。

「……日向」

「門野さんのものになんてなるな。……俺だけのつぼみでいろ」

 そんなことを言われたら……。

「……うん」

 【NO】なんて、言える訳ないでしょ……。

「わたしも好き……。日向のこと、好きっ……」

 わたしだって日向のこと、大好きなのに……。

「つぼみ……」

「ずっと好きだったのは、わたしの方だったんだから……」
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