【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


 日向と二人で歩くその道の足取りは、ちょっとだけ軽くなったようにも感じた。

「つぼみ、何食いたい?」

「わたし?そうだな〜」

 なんて他愛もない会話をしていると、一瞬刑事だということを忘れそうになる。

「ラーメンでも行く?」

「え、またラーメン? 一昨日もラーメン食べてたよね?」
 
 日向は相当、ラーメンが好きみたいだ。

「じゃあ今日は、わたしが何か作ってあげる」

「マジ?それは嬉しいわ」

 かれこれ付き合って一年ほど。わたしたちの人生には【結婚】という二文字が、浮かび始めている。
 けどわたしたちは、今の生活でも充分に楽しいと思える。 充実した日々を送れることが、幸せだと感じているから。

「今日は和食にでもしようかな」

「いいじゃん、和食」

「じゃあかぼちゃの煮物にでも、しようかな?」

「つぼみが作ってくれるものなら、何でも好きだからいい」

 そうやって日向は、いつも優しい言葉をくれる。……大好きな日向。わたしの大切な人。
 日向がいなくなったらって考えると……。すごく辛いし、守ってくれる人がいなくなるからイヤだと感じる。
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