【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉


 時にはヒールで走り回ったり、聞き込みをしに行ったりするから、その度に足が痛くなる。
 だけどその成果は、必ず報われる時がやって来るのだ。……例え辛い現実だったとしても。

 日向と付き合ってもう一年。これと言ってケンカみたいなものはないけど、すれ違うことはある。
 日向は張り込みに出ていて、わたしは捜査の聞き込みに出たりして。張り込みに行っている間、日向は希に家に帰ってこないこともある。

 わたしはそんな日向の帰りを待ちながら、一人夕飯を食べたりしている時もあるけど……。
 それでもこうして二人で過ごせる時間は、かけがえのないものになっている。楽しいことも、辛いことも、大変だったことも。全部二人で共有しあって生きているんだ。

 日向がいてくれるから、わたしは頑張れるんだ。 わたしは日向にいつも、助けられてばかりだけど……。
 たまには恩返ししたくて、一生懸命日向の望むことをしている。 マッサージしたり、肩を揉んであげたり、美味しいプリンを買ってきたり。
 日向の喜ぶ顔が、わたしにとっては本当に幸せなことなんだ。……本当に日向には、感謝しかない。
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