腐女子な女!
もうゴールしていいよね?

 あれから、数ヶ月の月日がたった。


 私の家には新しいセバスチャンが着てくれた。


 相変わらず、あのニヒル笑顔で毎日私を送り迎えしてくれる。


 う~ん・・・やっぱり、男は黒を着てナンボだね。


 佐倉くんは、モデルのお仕事を始めたらしく、学校を時々休むようになった。


 彼女とは・・・別れたらしい。


 奈津と亜紀にもそれぞれ春が来た。


 ・・・・・・・見事に乗り遅れた。


 それでも、私にはあせりと言うものは感じなかった。


 周りに彼氏が出来たから、どうして私まで焦る必要があるのだろうか・・・。


「あれ?」


 だからその日、私が図書室に来たのは、あくまで何となくであって、決して昔のことを懐かしむとか・・・そんな思いは一切なかったのだ。


 だというのに・・・・。


「紙の束・・・?」


 偶然見つけてしまった・・・。


 懐かしい・・・彼が書いていた粗雑な小説。


 才能があるとは思えなかったのは、私に才能がなかったから。


 私に才能がないと、決め込んでいたから・・・。


 懐かしくなって、紙の束を手に取る。


 どうせ、ろくでもないことが書かれているに決まっているのだ。


 タイトルを読んでみた。


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