紫の源流 ~Cruzar Another story 3/5~
目を開けると母さんがバックミラー越しに笑い掛けた。

「随分疲れてたのね。」

「うん、文化祭の準備が忙しくてさ。」

大きく伸びをしてカチコチに固まった体をほぐすが、後部座席という限られた空間ではそれも中々難しい。

それどころか、また睡魔がじわじわと思考を鈍られていく。

「なんかさ…大事なこと、あったと思うんだけどさ…思い…出せないや…」

重くなっていく瞼が落ちながら、雨足が強くなっていく窓の外を見れば、雷が空を切り裂く音と共に辺りを強く照らした。

一瞬、光った窓に自分に似た別の誰かが映ったような気がしたけど、きっと現実と夢の狭間を行き来しているからそんなモノを見たのだろう。

「思い出せないなら思ってた程大事なことじゃなかったのよ。家に着くまでまだ掛かるからもう少し寝てなさい。」

「うん…そうする…」

睡魔が僕を引きずるように無理矢理夢へと連れていく。

母さんが何か言っているみたいだけど、声が遠くて何て言っているのか分からないや…

それよりも、大事なことが気になって仕方がない…

ああ…気になるな…

大事なことってなんだったんだろ…


< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
「俺に勝とうなんて100万年はえー!」 「それはきっと何かの勘違い…じゃないかな…」 性格に難有り*サラリーマン 坂木鈴馬〈サカキ リョウマ〉 27歳 × 「スズさんが好きです!」 「俺、生まれたときから"特殊な味覚障害"があって…」 好きな人に一途*大学生 風音真琴〈カザネ マコト〉 20歳 甘さを感じさせてくれたのは貴方だけ… 一途な大学生に翻弄されるサラリーマンのお話です。 *************** 初めてBLを書きました。 BLとエロ(若干)が苦手な方はお気を付け下さい。 少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 Start 2022.7.15
表紙を見る 表紙を閉じる
有栖川 エル(15)   ガーデニング部 × 柳 涼汰(17)     サッカー部 二人は挨拶するだけの関係 そんな二人のいつもと違う朝のお話 start 2025.3.15 end 2025.3.16 *************** アリSが後悔した3日前の出来事を原型が分からない程に設定を変え脚色しまくって作ったお話です。
表紙を見る 表紙を閉じる
こちらには、書いてるものの更新状況や進行度合いとかについて、ちょろちょろ書かせて頂こうと 思っております。 ネタバレは書きませんが、少しストーリーにふれる程度のことは書く予定です。 あと、あまりにも更新遅過ぎるので、いつまでにどこどこまで書くとか、目標も公言して自分を急かしていこうと思います!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop