向き合う勇気

あえて私は、その話題を掘り下げることはせずに、他の話題に切り替えた。
そして、たくさん話をしているうちに、図書室につく。
すると、二人の男女が座って作業をしているのが、目に入る。
その二人の前の机には、一年前私たちが作っていたものが手本として、置かれていた。
その二人の姿を見た後、私は口を開く。
「ねえ、遥は、さっきなんで今年に入って図書委員が人気になったのか聞いたよね。」
「うん。」
「あれさ、遥のおかげだよ。」
私がそう言って微笑むと、遥はわからないと言った顔をする。
「えっ？どういうこと。」
私は、二人の男女が今座っている席を見ながら話す。その私の目線を辿るように彼女も、私と同じところを見つめる。
「知らない？この噂。図書委員として、一年間貢献したものは、二月に図書室のあの場所で告白をしたら叶うって、噂。」
私がそう言ったと同時に、二人の男女のうち、女の子の方が男子に何かを呟く。その瞬間、男子の方は少し照れた顔をした後に女の子の手を握った。
「どうやら噂は、本当みたいだね。」
私がそう言って戯けて笑うと、遥も釣られて笑う。
「そうだね。勇気出してよかった。」
遥のその言葉に同意するように私も口を開く。
「本当に勇気を出してくれてありがとう。大好きだよ。」
そう言えば、彼女はとびっきりの笑顔を私に向けたんだ。