秘め恋ブルーム〜極甘CEOの蜜愛包囲網〜
Bloom 5 花は折りたし梢は高し……でもないかも?
諏訪くんの会社で働くようになってから半月が過ぎた。
これまでは学生時代のレポートや、美容師時代にお客様のカルテを作成する程度だった私のパソコンスキルは、言うまでもなく素人同然だ。パワーポイントどころか、エクセルの計算式も使えないため、ちょっとしたことでつまずいてばかりいる。
「そうそう、ここにあるファイルに保存して……こっちも同じように共有ファイルに入れておくものだから、さっき教えたものと間違えないようにね」
けれど、木野さんはいつも丁寧に説明してくれる。しかも、私がメモを取れるようにゆっくり教えてくれるおかげで、なんとか少しずつパソコンにも慣れ始めていた。
「こういうメールはどうすればいいんですか?」
「商品の売り込みとか営業メールは副社長がチェックしてくれるから、このボックスに振り分けておいて。ひとまず副社長に回すから」
毎日覚えることばかりで大変だけれど、疑問を尋ねやすいからか今のところつらいこともなく、仕事自体は楽しい。周囲に迷惑をかけてばかりなのは心苦しいものの、彼女以外の社員もみんな優しくて話しやすかった。
「香月さん、ちょっとミーティングルームに来てください」
「あ、はい……!」
ただし、篠原さん以外は……。
木野さんは笑顔で送り出してくれたけれど、篠原さんと話すのはとても緊張するからこの場を離れるのは微妙に不安だった。
篠原さんとは、まだ数回しか会話をしたことがない。内容は毎回どれも業務に関することばかりで、彼女はいつも淡々としているため、質問もしづらいのだ。
これまでは学生時代のレポートや、美容師時代にお客様のカルテを作成する程度だった私のパソコンスキルは、言うまでもなく素人同然だ。パワーポイントどころか、エクセルの計算式も使えないため、ちょっとしたことでつまずいてばかりいる。
「そうそう、ここにあるファイルに保存して……こっちも同じように共有ファイルに入れておくものだから、さっき教えたものと間違えないようにね」
けれど、木野さんはいつも丁寧に説明してくれる。しかも、私がメモを取れるようにゆっくり教えてくれるおかげで、なんとか少しずつパソコンにも慣れ始めていた。
「こういうメールはどうすればいいんですか?」
「商品の売り込みとか営業メールは副社長がチェックしてくれるから、このボックスに振り分けておいて。ひとまず副社長に回すから」
毎日覚えることばかりで大変だけれど、疑問を尋ねやすいからか今のところつらいこともなく、仕事自体は楽しい。周囲に迷惑をかけてばかりなのは心苦しいものの、彼女以外の社員もみんな優しくて話しやすかった。
「香月さん、ちょっとミーティングルームに来てください」
「あ、はい……!」
ただし、篠原さん以外は……。
木野さんは笑顔で送り出してくれたけれど、篠原さんと話すのはとても緊張するからこの場を離れるのは微妙に不安だった。
篠原さんとは、まだ数回しか会話をしたことがない。内容は毎回どれも業務に関することばかりで、彼女はいつも淡々としているため、質問もしづらいのだ。