冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~

「次の場所までどのくらいかかりそうだ」
「二時間です」

スマホの地図アプリで検索した結果を伝えると、匠馬は当たり前のように運転席に回った。匠馬は運転手をつけず、自分で運転する。そして何度代わると言っても、決して澪に運転させないのだ。これもまた、彼のスタイル。

最初、運転手はいらないと聞いた時は驚いた。付けられた方が……とやんわり言ったが、自分でできることは自分でやると言ってきかなかった。これも経費削減というやつなのだろう。

危うく澪もその対象になるところだったが、なんとか削減されずにすんだ。下手なことを言えば、あっさり切られてしまうかもしれない。そう直感した澪はそれ以降、その件について口出すことをやめた。

同時に、頑張って匠馬に認めらなければと焦った。だから毎日懸命に仕事をこなし、匠馬の役に立てるよう努力した。

今の目標は「君がいてくれてよかった」と、匠馬に言ってもらうことだ。



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