三ツ橋神社
第二章 クオン

どうしていいのか分からず、とりあえず山を登る事にした。


に、しても...。


『キツい!疲れたぁ...。』


屋敷を飛び出しそこからずっと走っていたので体はヘトヘト。


もう、帰ってしまおうか。


二人共居ないし。


諦めて踵を返そうとした時道がひらけた場所に着いた。


大きな鳥居があり、辺りには赤い彼岸花が咲き誇っている。


『...わぁ...。』


鳥居には、三ツ橋神社と書かれていた。


『三ツ橋村と、同じ名前...。』


鳥居を潜り石畳を歩く。


赤い彼岸花が風に揺られ、ヒラヒラと花びらが舞う。


(( シャラン...


『...鈴の音?』


?「おい!何してる!」


鈴の音が聞こえ、高すぎず、低すぎず、そんな声が聞こえた。

長くはない髪の毛を後ろで束ねた、和風な服を着た男の子?がいる。


身長は私と同じくらい...かな、女の子かもしれない。


顔には奇妙な布をしていて見えない。


どこか不思議な雰囲気をしている子。


私がその子を凝視していると男の子は声を荒らげる。


?「帰れ!ココはお前みたいなのが来る所じゃない!」


な、なんなのこいつ!


私は後ろを向き、鳥居をくぐる。


来た道を歩きながらため息をついた。


『なんなのあいつ、会っていきなりあんなふうに...。あんな言い方しなくて良くない!?』


辺りはオレンジ色に染まっていて、私は足を早めた。


『...暗くなる前に帰ろう。』


ふと、見上げると先程の三ツ橋神社と書かれた鳥居があった。


『...?あれ、山道下ってたのに。』


ついさっきまで居たあの神社についてしまった。


何処かで道間違えたかな...。


私はもう一度山をくだる。


でもおかしいな。


一本道だし、たしかに降りていたはずなのに。


辺りはもう暗くなってきている。


『...早く帰らないと...、っ!』


またあの鳥居に着いてしまった。


『な、なんで!』


?「おい、まだうろついていたのか。」


私は首を振る。


『違う、帰れないの!』
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