影がいるから私がいる
私が膨れっ面で聞くと、笑いを堪えた状態のまま、りっちゃんは答えてきた。


「い、いや…あまりに見事なタイミングだったのがおかしくてな。」


ま、まぁ確かにりっちゃんの言う通りなんだよね。

いや!これから二人で神留無まで旅をするんだし、いくらでもチャンスはあるよ!!


…と思いたいな~。


その後はりっちゃんと他愛ない話をしながら、旅の準備をした。


準備が終わりに差し掛かった時に、りっちゃんが思い出したように言った。


「そうだ!大婆様の所へも行かないとな。

準備も終わるし、行こっか。」


「そうだね。そろそろ行こうか。」


荷物を隅にまとめておき、私達は大婆様の所へ向かった。


大婆様は噂によると、年齢が二百を超えてると言われているんだよね。

何度か会った事はあるけど耳は遠くないし、しっかりと話したり出来るから、そこまで年はいってないと思うね。


村に関わる重大事がある時には祈祷や占いをするから、村長よりも地位的には上にあたるみたい。

りっちゃんと話しながら歩いてると、村外れにある大婆様の家に着いた。

旅に出る事…大婆様は何て言うかな~?
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