影がいるから私がいる
「何で解るんだって顔だね。

私は占いによって、未来が視えるのさ。
近い未来ほど鮮明にはっきりと視えるんだよ。

お前たちが来る事…神留無に行く事…目的が、藍那に昔から存在する影の呪術を解き、病の原因を解明しようとしてる事を…。」


ふえ~、大婆様にそんな力があるなんて知らなかったな~。

あ。それなら私達の旅が上手く行くか占ってもらえないかな~。


「あの~、大婆様…一つ聞きたい事があるんですけど…」


私の言葉に大婆様は、ゆっくりと首を横に振った。


「海希…私は誰かの未来を視る事はしないよ…。

私が視る未来は、いくつかある未来の可能性の一つなんだよ…。

未来を話してしまうと、視えた未来以外は永久に訪れなくなってしまうんだ…。


だから海希や…すまないね…。」


申し訳なさそうに言う大婆様に、私は慌ててしまった。


「い、いえ!私こそ申し訳ありません!

未来を占ってもらおうなんて…あまりにも軽率でした…。」


反省し頭を下げると、
大婆様が私の肩に手を置いた。

頭を上げると大婆様が優しく微笑んでいた。


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