影がいるから私がいる
「お礼はいいさ…。
未来は話せないが、二人に一つだけ…心を強く持つんだよ…。

影に取り込まれないようにね…。」


大婆様の言葉は抽象的だったが、私達は忘れないように心に刻んだ。


「はい…。
それでは…全てが終わったらまた来ます。」


私達は頭を下げ、大婆様の家を後にした。

私とりっちゃんはとりあえず互いの家に戻り、荷物を持って村の出口で落ち合うことにした。





「りっちゃん、早いねー。」


私が村の出口に行くと、荷物を持ったりっちゃんが座って待っていた。


「いや、今さっき来たんだよ。」

「そうなんだ~。」


私とりっちゃんはどちらが言うでもなく、村の方を見つめていた…。

りっちゃんは意を決したように、村の外の方へ向いた。


「よし、行くか!」


「うん!」


…大丈夫…りっちゃんと一緒ならどんな事だって乗り越えられる…きっと…。
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