影がいるから私がいる
「そんな…りっちゃんは昔から格好良かったから、フリーなら彼女に立候補しようと思ってたのに~」


ゆーちゃんは手を目元にやりながら泣いてるようにも見えたが…手の隙間から見ると、全く涙は流れてなかったよ…。


「ま、良いや。
そういや二人とも、何で神留無に?」


「軽っ!!」


あまりの切替えの早さに、りっちゃんと二人でツッコミを入れちゃったし。

気を取り直して、りっちゃんがこれまでの経緯を説明し始めた。


影の実体化・藍那の歴史・解決策を見付ける為に神留無に来た事を…。


全ての話を聞いたゆーちゃんは驚きを隠せない様子だった。


「…まさか藍那にそんな昔からの呪いみたいなモノが在るとはね~。

確かに国王に解決策を授けてもらうしかないよね。

よし!まずは謁見の申し込みをしないと。
私も一緒に行くから、今から宮廷に行こう!」


ゆーちゃんの申し出に、私達は少なからず驚いた。


「え、良いの?ゆーちゃん?」


私が聞くと、ゆーちゃんは胸を張って頷いた…ホントに大きくなって…羨まし…いや、羨ましくなんかないし!

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