【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。


「店長、予約入ったので確認よろしくお願いします」

「はーい。もうすぐ十六時だねーさっき、公園でタピオカ売ってるって聞いたけど買ってきてくれない?」

「え、タピオカですか?」


 店長は千円札を渡すと、「行ってらっしゃい」とだけ言って外へ出された。

 店から出てすぐにある公園に行くと出店のようなキッチンカーがあって、その周りには飲み物を持っている人がいた。


「いらっしゃいませ〜」


 私はメニュー表から黒糖タピオカとミルクティーを選びそれを二つ注文する。

 購入してから私は、裏から休憩室に入り冷蔵庫にしまってから店内に戻った。


「あ、おかえり。どうだった?」

「はい、結構お客さんいらっしゃいました。タピオカは冷蔵庫に入れときました」

「ほんと? ありがとー」

「いえ。あ、今日は店長出かけるんですよね? 早く上がってください」


 今日は確か、単身赴任の旦那様が帰ってくるって聞いている。都内の高級ホテルに宿泊するって言ってた。


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