溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
「お世話になりました…」

「元気でね…三つ子ちゃん」

遥さん達NICUの人達が見守る中、常盤夫妻の三つ子ちゃんが退院した。

常盤さんが凛人君、杏花さんが花ちゃん、加那斗さんが柚人君を抱っこする。

「身重なのに、荷物持たせて申し訳ありません…七海さん」

「いいんですよ…」

三つ子と言うだけで、荷物も三倍。


常盤さんの車は五人乗り普通車。

チャイルドシートも三つ子だから三人分。
「やはり…ファミリーカーは必要ですね…」


「そりゃそうだろ…」

加那斗さんは常盤さんと一緒にチャイルドシートに赤ちゃんを乗せていく。

残りの凛人君をシートに乗せようとしたら、急に泣き出した。

「ミルクですか?杏花」

「さっき飲ませたばかりですよ…玲人さん」

「じゃなんですか?何で泣いているんですか?凛人」


「赤ちゃんに日本語は通じませんよ…玲人さん」

「どうしましょう!?」

「貸してください…」

凛人君を抱っこしてオロオロする常盤さんの代わりに抱っこした。

「もしかしたら、ゲップが出ていないだけかも」

私は縦に抱っこして、背中を優しく摩った。するとゲボッとゲップが出て来た。






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