溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
父は私の貞操を奪っただけなら、まだしも…私の部屋に度々訪れた。

私は東京の大学への進学を決めて、実家の栃木を出て、逃げるようにして上京。一人暮らしを始めた。

大学の進学を境に、実家とは縁を切った。

そして、お金を稼ぐために風俗の世界に身を投じた。
女子大生と言うだけで、驚くほど儲かり、学費も生活費も簡単に稼ぐコトが出来た。

でも、就活の時期に入り、私は風俗から足を洗った。

汚れきってしまったカラダだけど、純粋に誰かと恋がしたい。

そんな乙女な心を残していた。

―――そして、私は加那斗さんに恋をした。

彼は御曹司で、第一印象からキラキラしていた。
今までいた私の世界に居なかった人。

目が眩むぐらい輝いていて、暗い暗闇の中で足掻いている私を光の中に誘ってくれるかもしれない。
そう思った。私は男性に対して恐怖心しか抱けなかった。
こんな風に胸が高まり、温かい感情を男性に抱いたのは加那斗さんだけ。
私は入社式の壇上で話す彼を見て、ひと目惚れした。

今でも彼と初めて出逢った時のコトが脳裏に鮮やかな色と共に浮かんでくる。



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