溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
加那斗さんは裕美さんを冷たくあしらう。

「知ってるわよ…私…そこに居る秘書の笹倉さんが加那斗の恋人だって…」

「それも父さんから訊いたのか?」

「えぇ~まぁ・・・」

裕美さんの視線が私に向いた。

恐ろしい程冷たく鋭い視線。

私は委縮してしまい、声が出ない。
彼との別離がもう間近に迫っている。
二人を包んでいた甘い空気は冷たい空気へと変わっていく。
弾んでいた心臓も切なさでギュッと締め付けられた。
「おいっ!?七海!!?」

居たたまれず、私を呼ぶ加那斗さんの声を吹っ切り、社長室を出た。

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