陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく
 じゃあごはんが出来るまでの間に話済ませちゃおうかな?

 そう思って陽呂くんを見ると、またあたしをジッと見ていた。


 視線が合うと、ニッと笑って「なに?」と聞いて来る。


「あ、あのね? ちょっと話があるんだけど……」

 すぐにドギマギしてしまう心を落ち着かせて、あたしは陽呂くんを誘った。


「ん、じゃあ俺の部屋行く?」

「うん。その方がいいかな」

 そうしてあたし達二人は二階の陽呂くんの部屋へと向かった。


 おばさんには「出来たら呼ぶからほどほどにねー」なんて言われたけれど……。

 何をすると思われてるんだろう……?

 ううん、これは深く考えない方が良い気がする。
 考えないでおこう。


「で? 話って?」

 自分のベッドに座ってあたしを隣にすわるよう誘導してから陽呂くんが聞いてきた。

「うん、えっとね……」

 あたしはテレビやパソコン周りだけ散らかっている陽呂くんの部屋を見回しながらどう切り出そうかと考える。

 ちょっと恥ずかしくて、良い話し方が思いつかない。

 ここはストレートにいくしかないかな?


「今朝の話なんだけど……」

「今朝って……美夜の全部もらうって言ったこと?……もしかして嫌だとか言う?」

 少し硬くなった声音で言う陽呂くんに、あたしはすぐ首を横に振る。
< 41 / 205 >

この作品をシェア

pagetop