榊一族
彼と私は葬式場に向かいました。

彼は涙を流しながら謝りました。

「お母さん、親孝行できなくてごめんなさい…」

そんな可哀想な彼に弟と妹は冷たく言い放ちました。

「兄さん、何しに来たんだ。」

「お母さんの遺産をもらいにきたのね。」

私は薄情にも程があると思い、言い返そうとしましたが妹が先に言い返しました。

「父と母が知んだのはあんたのせいよ!いつもいつも父と母はあんたのことばっかり考えてたんだから!二人を返しなさいよ!」

なんていうことを…もう我慢の限界でした。しかし彼は私が言い返そうとしたら遮りました。

「おっしゃる通り僕の責任です。長い間お父さんとお母さんを苦しめて本当にすみませんでした。」

彼はそれだけ言うと立ち去りました。

お話は…以上です。そこから彼とはたまにしか連絡をとらなくなり…こんなことになるなんて…』

ここまで院長は話すと、泣き出した。

わしもとても心が痛かった。

わしは院長の言う通りに葬式をあげ、お墓をつくった。

毎年家族全員で墓参りをする。」

主はここまで話すとすこしお茶を飲んで気を落ち着かせた。
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