榊一族

秘密の地図

「ごめんなさい、私いつもの癖でついここに物を隠しちゃうのよ。気にしないで。」

えりさんは驚いている俺に笑顔でそう言った。

「お母様には内緒にしてね。」

えりさんは俺に約束させた。まぁ、知られたくないんだろうな。

そして紙を広げた。

「これはね、榊に代々伝わる宝の地図なの。お父様からもらったんだけど。探偵さんに宝物を見つけてもらおうと思って。お願いできるかしら。」

確かにそのようだった。古い紙にこの家の見取り図が書いてある。
その下に説明書きみたいに何か書いてある。

一、 この家の玄関の床の間のすぐ上に絵を飾るべし。
二、 そして食堂、居間、かわや、第二回廊、応接間、書斎、をつなぐべし。
三、 ×にすばらしきものありけり。

その隅に陰と書いてあった。そして□が書かれており、横一メートル、縦一メートル五十センチと書かれていた。

「お願い!探偵さん。追加料金はきちんと払うからぁ。」

えりさんは両手を合わせて俺に上目使いでじっと見て頼んできた。

俺はこういうのは本当に苦手だ。

「わ、わかりました。」

するとえりさんはにっこり笑った。

「ありがとう!嬉しいわ!」
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