榊一族
『…総一郎、ちょっと来なさい。』

わしは父に呼ばれた。まぁ説教されると思っておった。案の定そうじゃったが。

総一郎父「いいか。子供を教育するのは母親の仕事ではない。母親と父親の仕事だ。それを忘れるでないぞ。」
総一郎「はい。」

わしはきっちり教えを守っていた。

しかし…子供3人が小学校に上がったころじゃったかのう、二度目の説教は。

『総一郎、おまえは優之介になにをしている?』

『何をしている?どういうことですか?』

『最近優之介は笑わんようになってしまったではないか。目つきが鋭くなってきておるぞ。龍之介や桜子はあんなに朗らかなのに。』

『僕はきちんと教育しています。お父さんの言いつけ通りに。』

『わしは孫の教育まで手を出すつもりはないがおまえの教育の仕方は問題があると思う。おまえには愛情がないわけではなかろう。』

『何がおっしゃりたいんですか?』

『わからんか?厳しくしつけるだけはやめろということが言いたいんじゃ。』
< 66 / 136 >

この作品をシェア

pagetop