GET BACK TOGETHER
5 惜別と決別
泣いていた私はふと我に返る。

人気のない道の端に隠れるように立っているけれど私は号泣している。

周りからしたら、大知さんが私を泣かせてるみたいに見える。

大知さんに申し訳なくなって、私は涙を甲で拭った。


「すいません……ご迷惑ばかり掛けて……」

「迷惑なんて掛けてないから」

「私、帰ります」

そう言いながら私は踵を返した。

「待って!」

すると引き止められた。

振り返ると大知さんは言った。

「やっぱり誕生日、お祝いさせて?」

「え?」

「こういう時、一人になると余計に暗くなるよ?だから俺と楽しくご飯を食べよう」

大知さんは私の手を強引に握った。


私は大人しく手を掴まれたまま大知さんについて行く。
< 183 / 481 >

この作品をシェア

pagetop