相思相愛マリアージュ（前）～君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です～

「すいません…槇村先生」
「んっ？」

二人でじゃれ合っていると帰ったはずの高屋さんが戻って来た。

「あ…高屋副社長…あれ？お一人ですか？？」

「あ…妻は里帰りしています…妊娠した妻のカラダを理解するために今日は一人で参加しました…」

「そうですか…」

「あの…もし…槇村先生に空いた時間があるんなら、我が『高屋』の本店でも同じようなお話をして貰ってもいいですか？」

「えっ？」

「『高屋』本店はこの度、四月にリニューアルオープンすることになり、各売り場フロアでリニューアルイベントを開催することになりまして…出来れば、ベビー服及び子供服、玩具売り場のイベントとして…槇村先生を招いて…赤ちゃんのお話などを訊かせて貰えばいいかなと・・・」

「いい話だと思いますよ。奏弥さん」

「この場では返事できませんが…少し考えてもいいですか？」

「あ、はい…突然の話ですいません…」

「いや、いいですよ…」