相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
定期的に産婦人科、新生児科、麻酔科、救命救急科、オペナースたちが集まり、シミュレーションは繰り返されていた。

当病院が定める娩出時間は二十分。
シミレーションでは難なくその制限時間をクリアしていた。
でも、夜間の勤務体制による人員不足、昨日のような突発的な大事故、複雑な要素が絡まり、シミュレーションのようには上手くいかなかったんだろう。

「・・・過ぎたコトだ…これをバネにするしかない。槇村のヤツ…相当凹んでいたから…奥さんの君が慰めてやってくれ」

「・・・私…逆に発破かけちゃいました…高木先生」

「・・・そうなの・・・まぁ、今回のコトで…夜間勤務で人手がいないのを想定したグレードAのシミュレーションしようと思うんだけど・・・どう?遥先生」

「いい考えだと思います…常に人員がベストだと限りませんから…」

「そうだよな・・・救命も産科も人が居ないから…分室が開院したら、もっと大変だよ」

「ですね…」

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