相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「院長、遅くなりました…」

「あ・・・高坂君・・・」

何だ何だと私も奏弥さんも他の医師たちも足を止めて、一人の男性に目を向けた。

「待って…皆…新しい分室の院長が到着したから…ストップ!!」

院長の声で皆が注目した。

「紹介するわ…彼が当分室の院長を務める高坂信也(コウサカシンヤ)さん。彼には小児科の医局長も兼任して貰うコトになってます」
高坂信也・・・
私の白血病の治療に当たった担当医師だった。
あれからもう十二年。
あの頃、二十代後半だった高坂先生も年を重ね、イケオジになっていた。

「伊集院院長のご紹介に預かりました…元は九州東亜医科大付属病院小児科医局の医局長を務めてました…高坂信也です…よろしくお願いします…」

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