相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「…君が東亜に入ってコトは知っていたけど…君は夢を叶えて、本当に医者になったんだな…」
高坂先生は私の白衣姿をジッと見つめた。
「はい…」
「!?」
高坂先生は私のネームホルダーを見て、訝し気な表情を浮かべる。

「あ…私…去年結婚したんです…」

「槇村って…産科医で有名な・・・」

「はい、ちなみに私は新生児科医です…高坂先生」

「そうか…結婚したのか…」

「高坂先生も小児科の診察室に行かれるんですか?」
「そうだ・・・一緒に行こうか?」

「はい」

私にとって彼は命の恩人。

諏訪部副院長も、私を励ましてくれたけど、隣を歩く担当医の高坂先生が一番親身に心の支えになってくれた。

私が医師を志すようになったきっかけを作ってくれたのも、高坂先生だった。



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