相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「まぁ、立ってないで…座れば?」

「俺も忙しいので…立ったままでいいです…コーヒーも要りません」

「…産科は相変わらず人手不足だからな…」

「・・・なのに・・・どうして!?分室を作るんですか?」

「院長の長年の夢だったからね…開院も後少し…忙しいと思うけど…頑張ってくれ。槇村先生」

そう言って、副院長は椅子に腰を据え、優雅にコーヒーを啜った。

「・・・しかし、君は響さんにそっくりだな…」

副院長も母を知っていた。

「そっくりと言われても…俺…母さんに一度も会ったコトないですし」

「・・・そうだな…」

「・・・」


「高坂には君は若いけど優秀な産科医だと言っておいた・・・」

「…余計なコト言わないで下さいよ…分室でこき使われたら、副院長のせいですからね」





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